連載:フィガロ王立吹奏楽団 参加レポート<第4回・終>

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タツキさん(@over_tatsuki) による、フィガロ王立吹奏楽団参加レポート第4回。思いの丈を詰め込んだ参加レポートも、今回が最後となります。

世界崩壊後の第3部、「あの」のこぎりのヒミツ、感動のエンディング、そしてアンコール。

最終回の今回も盛りだくさんの内容になっています。ぜひ最後までお楽しみください。


2019/04/13 フィガロ王立吹奏楽団ドマ国公演(フィガロ吹)にお越しいただいた皆様ありがとうございました。そして奏者スタッフの方々お疲れ様でした。

感想文の体で書き進めている怪文書ですが、ようやく後半です。

■3部開始~10セリスのテーマ~永遠に、レイチェル

第3部開始とあればこの件について語らねばなるまい。そう、かいてんのこぎりについて……。

演奏と関係ないので蛇足になるんで手短に書きますが(詳しくは別で心のまま書いてます)、フィガロオケでエドガーはコンマスに座りオケ全体を率いるまさに王様だった訳ですよ。で、フィガロ吹ではというとトロンボーン。なんで?ってなるじゃないですか。やるなら吹奏楽の花形トランペットまたはサックスだろうと思うじゃないですか。私は思います。

でもトロンボーンがかいてんのこぎりになってたら「あーだからエドガーがトロンボーンなのねー」となるかと思いまして(苦しいか……?)。たまたまエドガーについて調べていて、SFCのかいてんのこぎりのグラフィックがチェーンソー形であることに気付き、その瞬間チェーンソーの形状がトロンボーンのスライドと一致していたことに玉突き事故の如く気付き、やるしかないと慣れない工作をがんばりました。

部材なりスプレーなりを購入するときにあわせてホッケーマスクも購入しました。(おかげでAmazonのおすすめにジェイソンの映画が表示される不具合が生じています)

使用するのはのこぎり入手後かつ最後の4部の蘇る緑ではさすがに雰囲気が合わないので利用NGだったため、3部のみと決まっていました(ちょっと悔しい)。

2部が終わり、マッシュが冒頭のガウのソロに満足できずウオオオオオンと悔しがっているのに対して他の奏者と一緒にいやいやよかったよって声を掛けてから、即楽屋に引っ込みます。そしてチェーンソーパーツを取り付け、完成!!着脱はマジックテープなので容易でした。我ながらよく考えたわ。

あまりにも手際がよかったのでかいてんのこぎり装着後ずいぶん時間が余ってしまい、後楽屋外の廊下で若干撮影会をしていました。確かオルトロスと戦ったシーンを撮ったり、エドガーとロックで写真を撮ったのもこの3部開始前の時間帯だったと思います。謎の盛り上がりを見せていたよ。

そして時間が来たので舞台袖へ。ここでかいてんのこぎりの先端部分の固定がイマイチだったことに気付き、暗がりの中でゴソゴソ直していました。他の奏者から「おいおい!もう始まるよ!!」と心配されていましたがなんとかセーフ。超焦った。

で、ある程度奏者が入った後にホッケーマスク装着状態でかいてんのこぎりを掲げて舞台へ登場しました。あまりにも唐突過ぎて最初は反応が返ってこなかったと思いますが唯でさえマントと金髪で目立つエドガー、マスク装着にのこぎりは電飾付で光っているという井出達だったのですぐに気付いていただき、上々な反応をいただけました。壇上で他のトロンボーンの兄貴たちから「ウケてよかったね」と言われ、幻聴じゃないことを確認。さて演奏に集中しようとマスクを取りました。ここで雑にマスクをとっちゃったせいで3部のエドガーの髪は大いに乱れていたそうで……気付かなかった……恥ずかしいな……

はい、曲の話ですね。気持ちが入りすぎて入場のところ書きすぎました。

マスクとのこぎり装備でノリノリの陛下の入場後、最初の曲は静かに優しい、そしてシーンとしては感動落差のあるセリスのテーマ。冒頭の波の音だけで雰囲気がガラっとかわり、セリスのクラリネットソロに。……ということはおじいちゃんは……それ以上は考えないほうがいいですね。

いずれにせよクラリネットの音色がすばらしいです。フィガロ吹ではクラリネットが十数本もいるので、クラリネットアンサンブルがとても強力でしっかりと鳴らされておりました。

そしてホルンが静かに響いて、「永遠に、レイチェル」につながります。これも感動します。ホルンの美しいメロディをオーボエソロが受け継いで、本当に泣かせてきます。書いてて辛くなるしお客様も感動されてましたね……わかるぞ……曲の最後は楽器も増え、少し希望を抱かせるような和音が入り、静かに終わります。曲としては短く、もっともっと聞いていたい曲でした。

■11レスト・イン・ピース~墓標名~仲間を求めて~

みんな大好きここは待ちな先輩ことセッツァーの独壇場になるこの曲です。セッツァーがダリルのことを思い出しながら階段を降りていくあのシーン。フィガロ吹ではたっぷり間を取ってセッツァーがステージを闊歩します。

当日午前に楽屋でセッツァーが「あのシーンすごく長くて間が持たないんだけどどうしようか」と言ってました。ゆっくり歩くくらいしかやれること無いよねって結論になり、そのとおりにしたっぽいですが俯いたりと色々変化をつけていて、2回の演奏会で役者として成長したセッツァーを見ることができました。流石先輩!!(先輩と言っていますがあだ名で、エドガーとセッツァーの中の人の年齢は同じです。今気付いたけど実際の設定でもエドガーとセッツァーは27歳同士でしたね。まさかの原作再現)

レスト・イン・ピースから墓碑名は直前に演奏したセリスのテーマおよび永遠に、レイチェルの雰囲気を少し明るくしたような曲調ですが、音量自体はもっと小さいように聞こえました。それが奏者側後段からは舞台で一人歩くセッツァーとうまくマッチしているように見えました。そしてここで落ち着いて演奏が進むのは、後続に”あの”曲があるからです。

墓標名の最後の音が静かに伸ばされている合間に、ハイハットがリズムを刻みます。みんな大好き仲間を求めて!!!イントロの時点で涙腺にキテたお客様もいたそうです。よくわかります。私はFF6でこの曲一番好き。イントロを長めにとって盛り上がりを十分に演出できたところもまた感動を呼び込む原動力となったことでしょう。

この曲もオケ同様、途中仲間のテーマを挟んだ編曲をしています。何を表現しているかは言うまでもないですよね。エモです。

それからそれからどうしても言いたいのはこの曲の低音!!!特にバリトンサックス!!!重厚な音でバンド全体を支えるバリトンサックスですが、特にこの曲はベースラインが本当に格好良いうえにバリトンサックスの音色とベストマッチ。奏者本人もメチャメチャ上手で、私はベースラインの演奏においては完全にバリトンサックスに乗っかるつもりで演奏していました。聞いててかっこよく、一緒に吹いて頼りになる。仲間にいてくれて本当によかった……。

曲の最後はセッツァーのテーマのフレーズが少しだけ挟まり、よみがえったファルコン号を駆るセッツァーの姿が浮かぶようでありました。

■12からくり屋敷~リルムのテーマ

からくり屋敷の冒頭はサックスアンサンブル。怪しい雰囲気を上手く表現されています。やっぱサックスやってる人って例外なく上手いんだよなぁ(自分調べ)。その流れのままオーボエ、フルート、クラリネットとメロディを受け継ぎながら曲が展開されていきます。

その頃のロックはというと……指揮しながらボタン押したり前後に動いたりしてます……そうです!からくりやしきのギミックです。指揮しながらですけど、こんな無茶な演習ができるのも安定した木管パートがいたからこそですね。

安心して舞台から楽しくロックを見ていました。進んで引き戻されたり、ボタン押したり、もちろんSE付で再現。ここはホールではない。からくり屋敷なのだ!

そして続くリルムのテーマは。もうね……これはね……フルートのリルムが立ってメロディを吹き、その後ろにシャドウが立って対旋律を吹く……二人とも視界に収められるトロンボーンの奏者のみんなはその瞬間を焼き付けていましたとも……ステージからもシャドウは長身だし、リルムも衣装が目立つのでよく見えていたと思います。来場いただいたお客様の感想にも、ここのリルムとシャドウのデュエットは泣きポイントとして認知されていました。リルムのフルートを包み込むシャドウのユーフォニウムの音が本当に上手く溶け合っていて、真後ろで聞いていると大変に心地よかったです。そして、明るいメロディなのに泣ける。

しっかし3部はレイチェル、レスト・イン・ピースからの仲間を求めて、ここのリルムのテーマ、そして最後のカイエンのテーマと泣きポイントが沢山あって本当に困りました……なぜ私はかいてんのこぎりで演奏しているのか……雰囲気……

■13スラム・シャッフル~霊峰コルツ

3部で唯一明確な泣きポイントが無いこの曲。スラム・シャッフルもまたサックスから始まる木管の安定感にブラボーです。 

ここではこれといった演出は無いのですが、トロンボーンパートとしては霊峰コルツについて話したい!というのもこの曲和音がわかりにくいのとパーカッションのタムタムがカッコイイけどリズム取りにくいのとでなかなか難易度が高いことに加え、トロンボーンがこの曲だけ一人チューバになります。意味不明だけど事実です。音はひとつだけですが、場所が曲の終盤にある爆音ベルトーンの出だしですので、毎回の練習ですごい音量を響かせておりました。隣にいたので、毎回その音量にビビってました。

本番ではホールの響きや外したリスクを考えてかなり抑えてましたが……いやーびっくりした。

■14ん?2~迷いの森~炭鉱都市ナルシェ~カイエンのテーマ

今更ですが、フィガロ吹はドマ国復興記公演であり、カイエン殿が奏者を率いるコンサートマスターを務めました。そういう訳でカイエンのテーマがあるこの曲がある意味この演奏会のメイン楽曲といっていいでしょう。(いいよね?)その分演出も凝っていたかと。なにせミナとシュンが出てきましたからね!!!

では順に。

「ん?」は前のプログラムで演奏していますし、ショートバージョンなので割愛。

続く迷いの森……。冒頭のフィンガーシンバルの「チーン」の音がメチャクチャに良いんです。基本トロンボーンの真後ろで鳴らしてたんですけど毎回音が気持ち良すぎて。脳髄が揺らされるような感覚を覚えていましたクラリネット、オーボエ主体の旋律も勿論雰囲気たっぷりなんですが、ここの功労者はホルンと思います。メロディの裏で和音で気持ちよく音を刻んでいるんですよ。練習では反響板が無いのでイメージしにくかったのですが、本番では怪しく響いておりました。ホールで「すげー雰囲気ある じゃん!」とひとり密かに興奮。

そして、炭鉱都市ナルシェ。この曲も1部前半でやっていますが!が!演奏も良いんです!が!!何よりも!!ここはカイエンがミナとシュンと会うあのシーンの再現の演出でしょう!!!

実はシュンは当日に衣装を合わせ爆誕したのです!!!なのにあの演出というか演技。

そんなに演出の練習をしていないはずなのですが、タイミングばっちりで、特に去っていく幻影のミナとシュンに手を伸ばすカイエンの表情は迫るものがありました。

恐らく観客席からは見られない、見られたとしても遠くでよくわからなかったと思います。あの瞬間の写真が存在していればいいのですけど生憎無いんですよね……あの、「あぁ……行ってしまった……」みたいな表情お見せしたかった……というかカイエンさんそんなに演技上手かったのかよ!!

その素晴らしい演技のせいで続くクラリネットソロ、つまりカイエンによる「カイエンのテーマ」は演奏その物も文句無し素晴らしいのですが演出と迫真の演技が更に拍車をかけ、とても胸に来きました。妻子を失った奏者はカイエンの運命を想わずにはいられません……。

曲の最後はひっさつけんを極める演出。刀を鳴らすのは当日のリハで実際の刀を見たところ「このほうがいいんじゃない?」という意見が挙がり組み込まれた演出でした。刀の動きとグロッケン&アンヴィルの音が上手くハマってほっとすると同時に3部がこれで終了します。

あとは最終決戦とエンディングのみ。奏者一同気合が入ります!!!

そうそう、蛇足ですがカイエンが持つ刀は某奏者提供の燭台切でした。かっこよくきまってたよね。

■4部開始~15邪神の塔~魔導士ケフカ~妖星乱舞

つけたばかりなのに即かいてんのこぎりをオミットし、ああ、終わるのか~とか奏者と話ながら舞台袖に集合します。プログラム上は残り2曲で、最後の入場になります。最後まで吹ききるために唇は温存してきた。さあ最後の戦いだ!!!

気合十分でステージへ。

すると入場時にリルムが大きな筆を観客席に向けて振り、あまりの可愛さで和みましたね。正面から見たかったよう。後ろからだと表情が見えないので。悔しいですね。観客席にワープしたい。

とか考えていたらロックが入場し、最後のMCをします。ここから蘇る緑妖星乱舞に繋がるメドレーの最初は「邪神の塔」。冒頭にトロンボーン含む低音がいつブレス取るんだっていう刻みをしていて、息を持ってかれて視界がホワイトアウトしかけました。流石ゲーム音楽、人間が演奏することを想定していない。ラスボスに相応しいじゃないか!とワクワクしつつ頭を冷やしながら演奏しました。その後はトランペットが旋律を華やかに奏でつつ、緊張感を匂わせながら曲が続きます。ラストダンジョンに相応しい雰囲気。

その後は「魔道士ケフカ」に繋がりますが、ピアノが主体。1部から何度も出てきたこのケフカのテーマ曲ですが、軽快なピアノの後ろからバスドラムを初めとするパーカッションがグオングオンとSEを鳴らしてほぼゼロ距離でその音を聞いていた私は実は恐怖を感じてました。そんなに鳴らされると怖い。でもこれ以上の恐怖を実際にケフカと対峙したパーティーメンバーも体感したんだよねきっと。

そう思うと途端に相棒のかいてんのこぎり……ではなくトロンボーンを持つ手に力が篭ります。そして、妖星乱舞に突入。

妖星乱舞はこれまでプロアマ問わず至るところで演奏されており、言うまでもなく知名度も人気も非常に高い楽曲です。フィガロ吹の編曲は原作準拠バージョンで長大かつ木管金管構わず体力を削っていくラスボスに相応しいスタイル。

といってもこの曲もうしんどいことしか感想がない!変拍子に高音高速連符。テンポが崩れないように気を使いつつ、体力がなくなってせんとうふのうにならないように注意し、それでもこの曲は全力で出すところは出す。めまぐるしい演奏でした。途中のパイプオルガン独奏は聞き惚れてながら回復し、なんとか演奏を乗り切りました。

こう書くとしんどいことしか書いてないですけど演奏する側からも大変かつ楽しい曲でした。そもそも人気曲の妖星乱舞を吹奏楽で演奏する機会なんてないですから、沸き上がるテンションを抑えつつの演奏でしたよ!

そういえば最後の「シュー」という音も信頼と安心の口で表現。これは上手く響いたのでしょうか?個人としては演奏が終わった開放感しか覚えていなくてちゃんと演奏(?)したか記憶が曖昧でして。きっとたくさん奏者がいるので誰一人やらなかったということはないと思うのですが……。

■16蘇る緑

妖星乱舞からそのまま、エンディングの蘇る緑に。優しい旋律に導かれて主要キャラクターたちのテーマが次々と展開されます。そして、それにあわせて今回たくさんいるキャラクターに扮した奏者たちの演出も続々と展開されます。

演出すること自体は、実は本番一週間前にきまったものです。とりあえず立って吹こうということになり(今思えば暗譜箇所増やされたね)、カイエンの抜刀など細かい演出は本番当日に決まりました。演奏関係ない部分ですが全員が主人公のFF6。こういう見せ場があったほうがいいと思いますし、オケよりも演出を強化したフィガロ吹としても集大成な感じ。

とっても格好良かったカイエンの抜刀は見えたのですが、セッツァーのカード投げは続くエドガーマッシュのテーマの為に移動してて見れなかったのです。見たかった……かっこよすぎでしょう待ちな先輩。待ちな!で大ウケしてた愛されキャラだったはずなのに……

エドガーマッシュは隣で吹くことは決めていたけど肩ポンは当日決めて、当日マッシュに「肩叩くけど演奏に支障出たらごめん」とか伝えてました。なるべくソフトタッチにしたつもりですけど、観客席からはバッチリ見えていたみたいで何人かのフィガロ兄弟Loverを揺さぶることに成功しました。やったぜ。

原作でも兄弟の絆を感じさせられるシーンですけど、さすがに天井落とすわけにもいかず控えめな演出になりましたがこれくらいでちょうど良かったのかもしれません。あと途中でマッシュから視線を外し一度観客席を振り向きましたが、これは本番でそうしたほうが良い気がしたので体が勝手に動いた奴です。

でこれまた続くモグの倒れる演出も自席に戻る途中で全然見えなかったんですよね。クソオ見たかった。絶対可愛かったのに。

そういえば笑いが起きた最後の穴に落ちた後のゴゴの目の演出ですが、あれもエドガーがやりました。本番3日前に突然ロック様から依頼が来たのでほぼぶっつけ本番……なぜエドガーが……吹の陛下はオケの陛下のモノマネという意味だろうか……そもそも全体的にロックの吹の陛下に対する扱いが雑なんですよね……すき……

ゴゴからの曲の流れはもう完全に泣かせる構成かつ演出が……落としたバンダナをセリスが拾って、ロックがセリスを抱きしめて……そして指揮に戻る……なんだこれは……もはや舞台では??

実はこの演出も元は本番1週間前の練習後に決まりまして、奏者もここまでするとは思ってなかったし見るのも初めてだったんですよ。度肝抜かれましたッ。演奏どころではないッ。ぶっちゃけちゃんと演奏できてたか自信が無いです。どうだったんでしょう……

その後はティナとリルムのテーマ。ティナの魔石は用意できなかったけどみんな見えていたよね?

リルムのテーマももちろんいい曲ですけど、その後にシャドウのテーマが控えているのがやばいです。塔で一人最後を迎えるシャドウと、それに合わせてテーマ曲の盛り上がりよ。ここは奏者一同感情を込めて吹きました。目の前でシャドウもばっちり演技してくれて心に来ました……行け、インターセプター!!

ここでようやく演出がひと段落して演奏に集中します。テンポがどんどん変わるのですが本当に奏者一同は演出に心を撃たれていたので一体となって演奏できました(たぶん)。そして”ああ、もうすぐ演奏会がおわってしまう……”というあの感覚が沸きあがってきます(少なくとも私は)。

これは私見なので全ての奏者、関係者の意見ではないのですが、盛り沢山の演出に注目されがちなフィガロ吹ですが、そもそもゲーム音楽をほぼ原曲準拠で吹奏楽で演奏するという試みそのものが大変でした。先ほどの邪神の塔で息が吸えないなどなどありました。おまけにフィガロオケの大盛況のプレッシャー。これまでのお客様の反応から好評をいただいているのかな、という手応えを感じつつ、最後の演出であるティナの髪留めを外すシーンがやってきます。

これは原作準拠かつフィガロオケでもやっていた演出です。ここまできてこの演出をやらないとは誰も思っておらず、ホール全体がティナに集中します。

妻のティナ(言いたいだけ)は結構緊張に弱いんですよ。今回も演奏じゃないけどかなり緊張してました。ティナのポニーテールはリボンとバレッタが分離しているので、音楽に合わせて片手で二つのパーツを引き抜かなければなりません。これが結構曲者らしく、失敗するのは見たこと無いですが本番で上手くいくのか不安だったそうで。確かに手がちょっと震えていたもんね。

心配をよそに本番ではばっちりのタイミングでした。最後に遠くを見つめるティナの髪が靡くようにサーキュレーター持ち込むかなんて話もありましたが、譜面が飛んでいくのはマズイので却下した経緯があります。あと盛り上がるところなのにサーキュレーター係でホルンが一人つぶされるのも痛いし……申し訳ない……。

とまあ、感動に震えながらもなんとかスタミナを温存して、最後の盛り上がりまで息を吹き込みました。あ、でも、まだ1曲残っていました。

■17プレリュード

毎回思いますが最後にプレリュードを持ってくるのは反則ですよね……

ああ、終わる、終わってしまう、と思いながら、たゆたうシンセのメロディに声楽、木管、金管、弦、打と楽器が乗って分厚い音がホールを満たしていきます。観客席にはハンカチを持っているお客様もちらほら。ああ、やりきったと思いながら指揮棒が下ろされる瞬間を眺めていました。そして、沢山の喚声と拍手を浴びていました。

■MC~En1 狂信集団

完全に終わった雰囲気でしたがアンコールがありました。

ロックが指揮台を降りて舞台を去り、ふたたび戻ってきてまずはコンマスのカイエンと共に花束贈呈。そしてその後MCに入りアンコール一曲目の狂信集団を演奏します。この曲をアンコールに持ってくるのはかなり初期から決まっていましたが問題は演出。

事前に「客席から何人か狂信集団になってステージに集まる演出入れます」とは言われていてなんだその演出と思っていましたが、それだけでは足りなかったのか、MC中にケフカの笑い声からのパイプオルガンからの客席から狂信者入場というやりすぎじゃねえのって演出に気付けば進化していました。

この演出は本番の大体一ヶ月前からその場のアイデアで少しずつ組みあがり、大体揃ったのは本番二週間前くらいでした。

観客席ーー???この演出付いて来てるかーーーー???

■En2 狂信集団~戦闘、死闘、決戦、妖星乱舞、蘇る緑ショートバージョンメドレー

ということで狂信者がステージに揃ったところでみんなで狂信者になろうのコーナー開始です。つまるとこ観客の皆さんと一緒に狂信集団の声楽パートやろうぜってことですね。ここで今更気付いたのですが今回は女性のお客様が多く、女性の声がよく聞こえました。終演後のロビーでも確かに女性が多かった。男声は力負けするのでがんばって声張り上げましたね。そうしたらなぜか後ろの銅鑼まですごい音出してきてビビりました!

で、みんなで狂信集団になろうのコーナーからそのままスムーズに戦闘へ。今思えばこの流れはお客様にはきちんと説明してなかった気が……ロックが軽く「では狂信者と戦わなければならないので……」と言ったくらいで。 

お客様ーーーー???付いて来てるかーーーー???

冷静に思えば、妖精乱舞から蘇る緑と長大な曲を2つも吹いた後にバトルメドレーを持ってくる奏者泣かせのプログラムです。口が死んでしまいます……けどこの曲が本当の本当に最後のプログラムなので文字通り出し切りましたのでぶっちゃけ技術的にどうとかじゃねーかもしれません。完全に気持ちで演奏していました。

最後に蘇る緑のショートバージョンに入り、サックスの国家が流れ、テンポアップ……今度こそ終演になります。

ロックがそっと指揮棒を下ろした後、観客席から飛び込むブラボー!ブラボーフィガロ!!の声と拍手。

これほどブラボーを言いやすい公演はなかなかないんじゃないでしょうか。言われるとこんなに嬉しいものだったとは!!

ブラボーと返したい気持ちになりましたが陛下は楽器に加えゴゴの目玉とか結構荷物があるわけですよ。それにこの後ホールにお見送りに向かおうと思ってたので、おそらく荷物を取りに再び舞台に戻ることはできないので、ぐっとこらえて荷物をまとめてたところ隣にいたトロンボーンのtenさんから手を差し伸べられ、硬い握手を交わしました。

ソロ盛り沢山でコスプレするわ演出がどんどん入るわでプレッシャーを感じる場面が多く、本来の演奏部分は同じトロンボーンパートの兄貴達の支えがなければ恥ずかしい出来になっていたと思います。同じことはおそらくすべての奏者に言えることと思います。すべての奏者に感謝を!!

■終演後ロビーと締まらない締め

3部終了後にオミットを言い渡されたかいてんのこぎりですが、ロビーでは絶対に付けて持って行ってやるという硬い決意があったので楽屋に戻った後即ガムテープでポン付けしました。

そして廊下でとりあえずコスプレ奏者だけで記念撮影……が始まらない。

というのもティナが外したリボンを本番終了の開放感のせいでステージに置いてきてしまったため撮影が始められなかったとのこと。よくわかる。自分もブラボーフィガロ!言い忘れかけたもんね。

何枚か記念撮影をした後にロビーへ向かいますがエントランス時点でお客様に発見され何枚か写真を撮っていただきました。コスプレイヤーの人ってこんな感じなのか~~と思いながらロビーに向かってとりあえず知り合いの方に挨拶……のつもりがまずお客様にティナが捕まり、というか小学生低学年の女の子にイチコロになり行動不能に。暇を持て余した陛下はロビーを置くに向かって歩いて知り合いやスタッフの方に挨拶をしながらマッシュとフィガロ兄弟合わせ的な写真をとっていました。

その後は陛下の女さんとか、かいてんのこぎりすごいっすね!とかいうマシーナリィの才能がある兄貴たちと話したり、写真撮ったりして楽しく過ごせました。記憶ではオケの陛下のときは暴動になるんじゃないかってくらい人がいて壁ドンを要求する狂信者も出たくらいだったので、やっぱりオケ陛下の魅力はすごかったことを実感……また会いたい……今度こそ壁ドンしてもらうんだ……

最後の一人までお見送りしたい気持ちでしたが、ホールの利用時間もあるので泣く泣く撤退しかいてんのこぎりと陛下の衣装をオミットします。それからは片付けから打ち上げと走りきります。このあたりは演奏とは関係ないので割愛しますがこのあたりでようやくツイッターなりで演奏会の感想を直に見ることが出来、沢山のポジティブな感想を見ながらよかったよかったと関係者と笑いあいながら楽しくうち上がりました。

これを書き始めたのが4/18時点ですが、まだちらほら感想を言ってくれる人がいます。私含めまだ一部の方は奏者やお客様含めフィガロ吹から帰ってこれていないのですが、そのうち日常にもどっていくのでしょう。それでこそ非日常空間だったフィガロオケとそれに続いて催されたフィガロ吹の公演が輝くというものです!!来演されたゲーム好きの方はきっと今後も何らかの形でFF6の楽曲に触れると思いますが、その度にフィガロオケ/フィガロ吹の公演を思い出していただければ幸いです。

では最後はこの一言で。

ブラボーフィガロ!!!