雑記:これから「広報」の話をしよう ① 観客のキモチになるですよ

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演奏会の開催ももうすぐ。曲も仕上がってきたし、裏方もフロントも準備が着々と進んでいるし。

お客さんはどれくらい来てくれるかな。いろんな所でチラシ挟み込みもしたし、半分は埋まるかな。もしかしたら満席になったりして!

――ドキドキわくわくな演奏会。せっかく頑張って練習して準備することだし、たくさんのお客さんに見て欲しいのは当然ですよね。さあどれくらい来てくれるかしら…と思って蓋を開けてみたら

「どうしてお客さんは来てくれないのー!!?」
「早く来てー!お願いー!!」
そう、誰も!お客さんを(ry

んなこたーない。どこの団体だってみんな一生懸命広報活動してるはずなんですよね。挟み込みをしたり、Twitterを駆使してみたり、公式サイトを作ったり…。

いろんな手をつくしても、やっぱりなかなか集客って難しいもので。個人的な実感としては、単発コンテンツの公演(企画オケとか)は、比較的やりやすい傾向ですが、 アラカルト系の公演は難しいなあ…と感じています。

筆者はサラリーマンでもあるのですが、以前のお仕事では4年ほどプロモーション畑にいたことがありました。代理店ではなくて、そちらに発注するプロダクト側のお仕事。

決して大きな成果を残せたわけでもないので大きなことは言えないのですが、やはり長くやっているといろいろ勉強になることはあるもので。上記のようなやりやすさ、やりにくさにも理由があるなあ…とか、演奏会広報についても近い視点から考えられることが見えてきたりも。

そんなわけで、昔とった杵柄を活かして当サイトを見てくださっている方が何か参考になったら良いな、ということで演奏会広報のお話をしてみようと思います。

本職の広告・広報の方からしたら全然駄目駄目なモノかもしれませんが、これが呼び水になってもっとノウハウの周知共有がされるようになると良いなあと思っております。

もちろん、書いてあることをやれば成功するもんでもないです。やらなかったら絶対に失敗するわけでもないです。あくまでも概念的な物ですので、参考程度にでもなれば幸いでございます。

お客さんのキモチになるですよ

ということで初回のテーマはこちら。

あなたの演奏会の存在を知ってから実際に来てくれるまでの間に、お客さんたちはどんなキモチの変化があるのだろう、というお話です。

いろいろ想像はできるんですが、実はこれはもう100年ほど前に「AIDMAモデル」という名前で類型化されています。

AIDMAモデル

消費者の購買行動におけるAIDMAモデル
  • Attention (認知) 
  • Interest  (興味)
  • Desire  (欲求)
  • Memory  (記憶)
  • Action  (行動・購入)

以上の頭文字を取ってAIDMA。1920年代のアメリカのマーケティングの教科書に記載のあったモデルだそうです。

存在を知って、面白そうだなって思って、行きたいなって思って。日程を覚えておいて、当日来場する。まあなんとなくそんな感じだなって思えますよね。

AISASモデル

先程も書いたとおり、AIDMAモデルは100年前の教えなのでちょっと古いわけです。そこに対して「現代はこうじゃね?」ってちょっとアレンジしたものがAISASモデルといいます。

提唱したのは、みんな大好き()電通。2000年代に入って、インターネットが大きな影響を与えるようになってからのことです。

消費者の購買行動におけるAISASモデル

  • Attention (認知) 
  • Interest  (興味)
  • Search  (検索)
  • Action   (行動・購入)
  • Share    (共有)

先程のモノとは後半3つが変わっています。インターネットの時代、Web2.0(古いですけど)の時代になって大きく変わったのが、「検索」と「共有」という2つ。それらを消費者の行動に組み込むとこんな感じ、というやつです。

確かに興味が湧いたらとりあえずググりますし、行ってみて面白かったら感想をTwitterとかに書いたりしますよね。

演奏会広報におけるお客さんのキモチ

大きく2つのモデルを見てきましたが、じゃあ演奏会においてはどうなると我々運営・プレイヤーサイドとしては嬉しいのでしょう。

個人的にはAIDMAもAISASもちょっと片手落ちかなと思っています。演奏会当日を終着点とした場合、多分理想的な動きって下記の感じじゃないでしょうか。

  • Attention (認知) 
  • Interest  (興味)
  • Search   (検索)
  • Desire  (欲求)
  • Share   (共有)
  • Memory  (記憶)
  • Action  (来場)

AISDSMA…発音の使用がないのでその辺は忘れて頂きたいところですが。

知ってもらって、興味を持ってもらう。興味が湧いたら検索して、より詳しく知ってもらう。詳しく知ってくれたら、行きたい!って思ってもらう。行きたいって思っている人に、周りの友人たちへ共有してもらう。そして、本番の日時と場所をきちんと覚えて貰って、当日来てもらう。

こんな流れかなあと思います。

ここまで読んで「せやなー」って思ってくれた方。では、貴方の楽団の広報ってこのステップ踏めてますか?

ググったときに、詳細な情報にたどり着けるようになっているでしょうか。詳細な情報は、行きたいって感じてもらうに十分な内容になっているでしょうか。そもそもググって調べたりする前提で動いてますでしょうか?

そしてなにより、行きたいって感じた人が日時と場所を覚えられるようになっていますか?

人間って忘れる生き物です。筆者なんかは特に忘れっぽいというか、割とクルッポーって感じなので、演奏会前にチラシを貰ってカバンに締まったら、家に帰る頃にはしまったこと自体を忘れてます(極端ですが)

そんなわけで、まあ演奏会広報の定番手段といえばチラシではありますが、
AIDMAにせよAISASにせよお客さんのキモチを盛り上げる過程を全部チラシに背負わせるのは結構無理があるんじゃないかなと。

A4の紙1枚に込められる情報なんてそう多く無いし、いくらなんでもプレッシャーの欠けすぎです。チラシ氏が鬱になってしまう。また今後書こうとは思ってますが、チラシが持てる役割ってAとIまでかなって思うんですよね。Dまで行けたらめちゃめちゃよく出来てるチラシ。

なのでお客さんのキモチの各ステップを一つずつ分解して、一つずつ進んでもらえるように広報活動全体の設計を考えてそれぞれに手を打っていけると、少し良い方向に行くんじゃないかな……というのが今日の着地点です。

では全体の設計ってどうすんのさ、とか個別の各ステップにどう対策するのか、みたいな辺りを次回以降書いていきたいと思います。お粗末様でした。